痛いよぉ~
大声で泣き叫んでいる自分がいた。
まだ小さい頃、父ちゃんの後ろをこっそりつけて行き、そして怪我をした。
まるで火傷したように痛むのは鼻の根元。
その痛さにイルカは泣くことしかできない。
「イルカ…」
父ちゃんの声が聞こえた。
助けて父ちゃん、母ちゃん…
ナルト達の声が聞こえ、どうしても部屋から出たくてイルカは窓から飛び出した。
しかしいくら下が芝生だからといっても所詮イルカは犬である。
着地に失敗してびきりと嫌な音が聞こえ、前脚に激痛が走る。
遅れて地面に着いた肺が潰れた。そしてイルカの意識は暗くなっていった。
「イルカっ」
あたたかい腕に抱き抱えられたことは覚えている。
しかしイルカが覚えていたのはそこまでだった。
「父ちゃんの馬鹿っイルカが死んじゃったらどうすんだよ~」
「ごめん、ナルト。夜になったら連れていくつもりだったんだ。」
「うちのイルカを二日間も閉じ込めているだなんて、覚悟は出来てるんでしょうね、ミナト。」
「クシナァ、だからごめんって…」
あまりに騒々しくてイルカの目が覚めた。
ちろちろと頬を舐められる。
カカシだった。
「くうん…」
思わず出たイルカの鳴き声に皆が振り返った。
「イルカっ」
「イルカ。よかった、目が覚めた…」
ナルトとクシナ母ちゃんの顔がすぐそばにあった。
そしてその先には両方の頬を真っ赤に腫らしたミナトがいる。
ナルトに飛びつきたいのに体が動かない。
「くぅん…」
さっきよりももっと心許ない声しか出ない。
先ほどからこの状況を説明してくれているうずまき親子には悪いがイルカは眠くて眠くて、とうとうまぶたが下りてしまった。
続く
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