「イルカ…イルカ。」
「イルカ、晩御飯だよ~」
通りの向こうでイルカを呼ぶ声が聞こえる。
うつらうつらと舟を漕いでいたイルカは、はっと目を覚ました。
「ナルト、クシナ母ちゃん。」
むくりと起き上がったイルカはドアに向かうがドアは開かない。
イルカはくるりと部屋の中を見回した。
ここから脱出出来そうなのは今までイルカがいた窓だけだ。
よじよじとなんとか出窓によじ登り、開いた窓から外を見下ろす。
「イルカ~」
外からナルトの声が聞こえる。
「よし。」
意を決してイルカは窓から飛び降りた。
「イルカ、君はナルトに飼われているんだね。ナルトはね、僕の息子なんだよ。」
イルカの頭を撫でるミナトは、窓からうずまき家の方を眺めている。
「ちゃんとナルトは君の世話をしているのかな?」
ミナトのどこか寂しそうな笑顔にイルカは起き上がる。
「く~ん」
イルカはミナトの手に頭を擦りつけた。
「ふふっ君はいい子だね。」
先ほどよりは明るい笑顔でミナトはイルカの頭を撫でた。
「イルカ、どうしたの?」
ひらりと出窓のクッションに飛び乗ってきたカカシにイルカは飛びついた。
「どうしたの?」
あまりにミナトが寂しい表情だったから悲しいとカカシにしがみついた。
「先輩。イルカ?」
カカシの胸に頭を突っ込んで泣いているイルカにあとからきたヤマトが驚いている。
「ううっ」
イルカは涙が止まらなかった。
ぽんぽんとカカシが背を、ヤマトが頭を撫でる。
それが心地好く、いつしかイルカは眠り込んでいた。
塀の外でうずまき母子がイルカの事を探しているだなんてしらずに…
続く
PR