「父ちゃん、母ちゃんにみつかったらまた蹴りいれられるってば、見つからないうちに帰るってばよ。」
「うーん、でもこの子可愛いしこのまま家に連れて帰ろうかな~」
「だめだってば。イルカは母ちゃんが拾ってきたんだってばよ。母ちゃん悲しむ。」
半分眠りに入りかけていたイルカは耳に入る言葉を聞き流していた。
「いやいや助けて~」
ミナトに抱きかかえられ、パニックになったイルカは身を捩じらせて逃げ出そうとしたが、人間の腕力には敵わず、結局ミナトの腕に抱かれたままだった。
頭を撫でられる心地よさと、なぜだか知っている匂いのためなのかイルカはうとうととし始めた。
そして気がついたらイルカは自分の家にいた。
「俺どうやって帰ってきたんだ?…まぁいいか…」
大きなあくびをしながら、まだ眠たいイルカはそのまま寝てしまった。
次の日も隣の大きな屋敷に向かった。
よいしょと壁の割れ目から入ると、そこにはまたあの人間がいた。
「イルカおはよう。」
逃げるまもなく腕に抱えられたイルカは番犬たちが不安そうに見守る中、家の中に連れて行かれた。
がちゃん
玄関の大扉が閉じる音にイルカはもう二度とここから出られないのではないかという恐怖に、ふるふると身を震わせていた。
「くう~ん。」
心細く思わず鳴き声を出してしまったが、ミナトはそんなイルカの様子には気がついていないようだった。
階段を上り二階のある部屋に連れて行かれた。
「ほら、ここにお座り。」
その部屋の窓辺に設えられたクッションの上にイルカはそっと下ろされた。
イルカはしらなかったが、ここはいつもカカシとヤマトが庭を見下ろしている場所だった。
「よく見えるだろ。」
ミナトが指差す先にはイルカの家。
正しくはうずまき家があった。
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