「君かわいいね。名前なんていうの?」
「イルカです。」
真っ黒な瞳をキラキラさせながらイルカは目の前のドーベルマンに答えた。
わらわらと集まってきた番犬たちはイルカを取り囲んでいた。
「あっもうマーキングされてる。カカシか…相変わらず手が早いな。」
「あいつ猫だろ?この子犬だぞ。それなのにマーキングか?」
「あいつは何でもいいんだよ。くっそうもう少し早く出会えていたらなぁ~」
イルカにはさっぱりと分からない話を始めた犬達を見上げてイルカは首を傾げる。
「「「「かーわいい」」」」
番犬もイルカにメロメロになったらしい。
「ということで連れて来ましたよ。じゃぁなイルカ。帰りには必ず顔を出すんだぞ。」
「ありがとう。ゲンマさん。」
番犬たちがいっせいにイルカをここまでエスコートしたいと騒ぎ始めたのでくじ引きで順番を決めたらしい。
そしてカカシとヤマトの前にイルカがちょこんと座っている。
「こんにちは。カカシさんと…えーっと。」
「ヤマトです。よろしく。」
いつもカカシの横にいる黒い猫がそう答えた。
「イルカです。よろしくお願いします。」
ヤマトが握手しようと手を出したが、カカシがそれを遮った。
「イルカ、こっちにおいで~」
カカシは自分の横にイルカを呼んだ。
イルカが行くとカカシはイルカの毛づくろいを始めた。
「誰かに身体触らせたりしなかった?顔舐められたりは?」
毛づくろいしながら、他のにおいがついていないかチェックしているが、イルカはそんなことには全く気がついてはいない。
「あのねナルトとお母さんが抱っこしてくれたの。それとね、さっき番犬の皆さんがね…」
イルカの言われなくても分かっている。
人間はともかくとして、番犬どもは許せない。
あとで蹴りを入れておこうとカカシは心に決めた。
「あの、カカシさん?」
がしがしと少し乱暴になっていたようだ。
イルカが涙目になっていた。
「ごめんね。もうしないよ。」
そう言ってイルカが痛がる場所を優しく舐めていく。
もちろん顔を舐めてマーキングすることも忘れてはいない。
そんな様子をじっと見詰めるヤマトの視線にイルカは少しおびえていた。
だって無表情のままイルカを見つめているヤマトは怖かったからだ。
続く
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