注:獣耳で想像してくださいませ。(身体は人型で)
「おまえどこの子?」
聞こえてきた声にイルカは驚いて逃げてしまった。
いつもよりも窓の近くに来たイルカは、ゆらゆらとゆれるコスモスの間から窓を見上げた。
しかしいつもの窓辺に猫はいなかった。
「今日はいないのか…」
残念だが、いないのならここにいても意味はない。
イルカが帰ろうと振り返った瞬間声がした。
「おまえどこの子?」
聞こえてきた声に、イルカは振り向きもせず、一目散に壁の割れ目を目指して走った。
しかし、どさりと背中に感じた重みに押しつぶされて、イルカは動けなくなった。
恐怖のあまり、じたばたとイルカは暴れたのだが、背中の重みはなくならない。
「逃げないでよ。」
イルカの背中から声が聞こえた。
「お願い逃げないで。なにもしないから。」
ふるふると身体を震わせながらもイルカは大人しくなる。
ゆっくりと背中の重みが消えた。
そしてさりさりと草を踏む音とともに白い影が目に入る。
イルカの目の前に現れたのはあの銀色の猫だった。
「オレの名前はカカシ。お前は?」
くんくんとイルカの身体をにおいながらカカシは聞いてきた。
「おっ俺はイルカ。隣のうずまき家で飼われてる。」
「そう、イルカね。いつもここに来てるね。」
座り込んでいるイルカの隣に座ったカカシはじっとイルカを見つめてくる。
蒼と紅の色違いの瞳に見つめられ、イルカはそのあまりの美しさに思わず見とれてしまった。
そんなイルカの顔をカカシは舐め始めた。
「やっやめろよ。」
「どうして?」
びっくりして後ずさったイルカの首輪に爪を引っ掛けカカシは自分の前にイルカを引き寄せた。
そしてまたぺろぺろと舐めはじめる。
「やめてよ。」
「やめない。お前、今日からオレのものだよ。」
「俺、犬だよ。」
「見ればわかる。」
「だったら何故?」
今にも泣きそうな表情でカカシを見上げるイルカに笑いかける。
「だってお前のこと気にいったもん。オレの匂いつけたから、明日からは番犬に襲われないから安心してまたここに来いよ。」
「また来ていいの?」
うれしそうに瞳をキラキラさせるイルカをカカシはまぶしそうに眺めていた。
「また明日来なさいよ。気をつけて帰りなさいよ~」
続く
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